ここ数年、「eスポーツ」という言葉がゲームのイメージを変えています。
プロ選手によるハイレベルな試合を観戦する、という観点からのスポーツ。
年代や体力に関わりなく、更にオンラインで場所を超えて誰もが楽しめるスポーツ、としての認識が広がっています。
そのような中、ゲームで年代や部署を超えて活発な社内コミュニケーションを実現している企業が増えてきており、社員でゲームに取り組む動き「企業eスポーツ部」が注目されています。
今回は企業eスポーツ部活動に取り組んでいる企業のひとつ、JCOM株式会社の企業eスポーツ部活動を取材させていただきました。
企業紹介
JCOM株式会社

企業eスポーツ部 チーム名

チーム名:JCOM Gaming

部員数
約50名
主にプレイするゲームタイトル
・PUBG MOBILE
・Apex Legends
・ウイニングイレブン
・ポケモンユナイト
など
活動方法・頻度
コロナ前は社内のラウンジやセミナールームに集まって活動。
現在は部門リーダーを中心にLINEグループ、Discordを使って不定期で呼び掛けて集まる。
特に大会出場が決まると積極的に集まって練習する。
インタビューした人について
徳原さん
JCOM Gaming部長 PUBG Mobile部門リーダー 企業eスポーツ部発起人
水野さん HN:illlillilly(リリー)

JCOM Gaming副部長 Apex Legends部門リーダー
丹治さん HN:こまはむ

Apex部門注目の若手エース
チームを立ち上げたきっかけ
徳原さん(以下、徳原):東京ゲームショウ2018で行われたPUBG企業対抗戦に出場したのがチームを立ち上げたきっかけでした。
当時は4~5人のメンバーでPUBG企業対抗戦に出場し、選手入場をした時の興奮が印象深く、これは社内でも活動したいと考え、企業eスポーツ部を作りました。
– 社内で企業eスポーツ部を作るときに申請など障壁ありましたか?
徳原:弊社の場合、自由な社風がありeスポーツに理解のある会長や上司などがeスポーツ部の活動を応援してくれているので特にはなかったですね。
PUBG企業対抗戦もYouTubeで配信されていたので、メールで同じ部署の方や同僚に連絡して応援してもらいました。
そこで応援されて、企業eスポーツ文化に対して新しい何かを感じたので社内掲示板でeスポーツ部設立を告知したところ、大反響で部員数が15人ほど増えました。
その次に水野君と相談して「これ社内でイベントできるんじゃない?」という話になりました。
水野さん(以下、水野):そうですね。人数がどんどん集まってきたので、2019年3月に第一回PUBG MOBILE社内大会を開催することになりました。
-イベントを初めて開催する時に苦労などはありましたか?
徳原:そうですね。その時はPUBGを中心にプレイしていましたが、配信はしたことがなかったのでよくわかりませんでした。
その時、水野君がPC関係に詳しいということで、水野君に会場の配線や参加者向けの資料などを作成していただきました。
あと、プロゲーマーの「さんげーむ」さんと懇意にさせていただいており、アドバイザリー的な立ち位置でアドバイスしていただきました。
なので初期の段階では私と水野とさんげーむさんの3人体制で運営していました。
水野:そうですね。
初めは3人体制でしたね。
開催の1週間前に社内のテレビ制作の方にアドバイザーとして意見をもらったりして、しっかり形にしてイベント開催できた流れです。
徳原:弊社はメディアの会社でもあるのでテレビ番組の制作部署があり、そこの部署の方にアドバイスを貰いながら大会運営を行いました。

-その後のイベント出場はありますか?

徳原:その後は2019年3月にe-Sports Festival Day1 ストリートファイターII’企業対抗戦に参加しました。
この大会は大手町・丸の内・有楽町に所在する企業によるストリートファイターII企業対抗戦で私が出場しました。
結果は予選落ちとなりました。(笑)
その後は2019年5月にPUBG MOBILE 企業対抗戦2019に出場し、予選グループ1位抜け、決勝グループ48チーム中5位となりました。
-このPUBG MOBILEイベントは反響ありましたか?
徳原:第一回がPC版PUBGの企業対抗戦だったので、プレイする人があまりいませんでした。
ただモバイル版で声をかけるとプレイする方が多く、企業対抗戦に出場するにあたり、社内で選考会を行いました。
そこで役職関係なしのガチンコ勝負をして見事私のチームが出場枠を勝ち取りました(笑)
–第二回PUBG交流大会開催して反響はありましたか?
徳原:僕の部署が広告関係で様々な企業さんと関わる機会が多かったので、取引先に声をかけたりして、様々な企業に応募していただきました。
そこで社外の方達が大勢来るので、社長の井村(2021年現在 会長)にゲストとして動画でコメントを頂くために、水野と社長室に行きました。
そこで、トロフィーとワインまで頂いちゃいました。
-2019年の段階で会社のトップがここまで企業eスポーツに取り組むのは日本企業初だと思います。
徳原:そうですね。このイベントは社内開催ですけど、「さんげーむ」さんと「shobosuke」さんに実況解説していただきました。
eスポーツは実況解説とゲーム内映像のスイッチングがあることでとても面白くなるのでこのイベントを通してeスポーツの凄さを実感しました。
– 2020年からどのような活動になりましたか?
徳原:2020年の最初の活動は1月にエイプリルナイツさんに主催していただいた「R6S 企業対抗戦」でした。
-水野さんはその大会に出場されていましたよね。
水野:そうですね。今までの社内大会ではすべて裏方だったので、選手としての参加は初めてでした。
徳原:このイベントが終わった頃からコロナ禍となり主催のイベントができず、働き方もリモートワークになりました。
オフラインからオンラインへ遊ぶ場所が変わったことにより社内でApexLegendsが流行りだし、2020年からApex Legends部門を始動しました。
またこのタイミングでAfter 6 Leagueの情報が公開され、社内掲示板でPUBG MOBILEとApex Legends部門を告知したところ、丹治さんを筆頭にメンバーが増えました。
After 6 Leagueに関してはApexLegendsとPUBG MOBILEの2部門応募しました。
丹治さんはApexLegendsのエースなのですが悲しいことに、申し込みが間に合わず参加できませんでした。
-今まで出場していた単発の大会とAfter 6 Leagueのようなリーグ戦で変わったところはありましたか?
徳原:PUBG MOBILEは単発大会だと隠れて順位を伸ばす動きをするのが普通ですが、リーグ戦となると参加している企業が一緒なので動きのプランを組んだり、アンチの入り方を研究することができました。
仕事以外で真剣に話し合って改善するのは初めてでしたね。
-ゲームの練習する中でチームメイトとの関係はどうなりましたか?
徳原:負けても誰かを責めて空気が悪くなるとかはなく、本気で悔しがるぐらいでした。
逆に3人やられて1人残った時はみんなで応援していました(笑)
またコロナ禍で飲み会やオフラインでのコミュニケーションがなくゲームでコミュニケーションが取れるのはよかったです。
-JCOMさんに関しては基盤が2018年の段階からあったので、いい方向に機能しているということですね。
徳原:コロナ禍になってからオンラインのゲームを取り入れたのではなく、コロナ禍以前からゲーム好きの人口が多く、これは社内コミュニケーションがぴったりだと思っていました。
-時代が追いついた感じですね。
徳原:企業eスポーツ部の元祖的な立ち位置で、知見を生かして活動していきたいです(笑)
-弊社主催のcogme cupに出場していただき、見事第一回に優勝されましたが心に残るシーンはありますか?

丹治:1回戦の最終局面でメンバーのKGMかがみさんが良いプレイしてチャンピオンを取れたシーンがあって、そこから2回戦目、3回戦目もチャンピオンが取れたので印象的でした。
-どうして優勝できたと思いますか?
丹治:皆さんゲームを普段からされていて、打ち合いやオーダーをしっかり理解してもらえたのがありますね。
あとKGMかがみさんが普段からeスポーツに関わりたいっていう思いが強くて気合が入っていたのも大きかったです。
-今後どのような活動していきたいですか?
徳原:実はcogmecupに優勝した後、JCG主催のApexLegends大会「FACE」に出場させていただきました。
結果は中間ぐらいで、今後は社会人大会にとどまらず、一般大会でも結果を出すという目標ができました。
もしそこで活躍することができると、JCOMをより多くの人に認知してもらえるし、学生たちにゲームする社会人いいなと思ってもらえるので、そんな社風に変えていければと思います。
社内の認知と理解・協力が企業eスポーツ活動を発展させる
2018年から発足し、とても早期から企業eスポーツに取り組んできたJCOM Gaming。
インタビューにより、eスポーツへの取り組みが成功し拡大していったポイントは、eスポーツ部の部員だけでなく、社内にその活動を告知し、社内の多くの人たちへ認知を広め、理解と協力を得たことだと分かりました。
すでに企業eスポーツに取り組んでいる方、またこれから企業eスポーツに取り組もう、という方は、ぜひJCOM Gamingの活動をご参考ください。
そして、JCOM Gamingの更なる活動にも注目してください。

本サイトは、「cogme」のメディアサイトとなります。
cogme は企業eスポーツ部のコミュニケーションを活性化したり、
他企業とゲームを使って交流するためのさまざまな機能が備わったサービスです。
「社会人×ゲーム」のキーワードに興味をお持ちいただけましたら、
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