昨年の2018年頃から「社会人限定」や「企業チーム限定」といった括りでのゲーム・eスポーツイベントが増えています。
弊社エイプリルナイツでも、企業交流のゲーム・eスポーツイベントを企画開催してきました。

この9月27日に開催された「ブロスタ企業交流戦 エイプリルナイツvs凸版印刷 E1 HEROES in esports Japan」
参加企業の凸版印刷株式会社。社名に続くE1 HEROES、これはなんと「社内eスポーツ部」の名称です。
社内eスポーツ部というまさに今を感じさせる活動、その様子を取材させていただきました。
E1 HEROES -TOPPAN eSPORTS TEAM-

企業:凸版印刷株式会社
規模:現在部員50名前後
活動:隔週水曜の終業後に社内会議室に集合し、各種ゲームタイトルでの交流、練習。
企業によるeスポーツイベントへの参加および主催。
目的:社員でeスポーツを楽しむことを通じて社内へのeスポーツを啓蒙する。
これからさらに発展していくeスポーツ振興に貢献する。
公式Twitterアカウント:E1 HEROES

■会議室に20~30人の社員が集まりゲーム交流!
E1 HEROESの活動日におじゃましてきました。
終業後の18:30から、社内の会議室に部員の方々が集まります。この日は20名前後の部員がいましたが、参加者が少ない日とのこと。
現在E1 HEROESでプレイされている主なゲームタイトルは
各ゲームのプレイヤーがテーブルごとに集まり、練習を行っています。

目を引くのが部員の方々の姿。そうです、チームロゴの入ったユニフォームTシャツを全員着て部活に参加しているんですね。
まさに学生時代のスポーツ系部活のような光景です。部員の方々の一体感と、ゲームを単なる遊びではなく、真剣に取り組んでいる熱意を感じます。

ユニフォームを着ての対外試合は、エイプリルナイツとのブロスタだけではありません。
プロゲーミングチーム「Well Played(ウェルプレイド)」とストリートファイターVの団体戦を行っています。
ストV 企業対抗戦 ウェルプレイド vs 凸版印刷 YouTubeチャンネル:WP社内リーグ より引用
■金井部長にE1 HEROESの経緯をインタビュー
社会人のeスポーツ部という新しく面白い試み。この部活が立ち上がった経緯を部長を務める凸版印刷 金井氏にうかがいました。

E1 HEROES部長 金井氏
――まずE1 HEROESが設立された経緯についてお教えください。
金井氏:近年、eスポーツの盛り上がりが注目されています。もともと弊社はスポーツの振興活動を行ってきましたので、同じようにeスポーツにも取り組むプロジェクトが立ち上がりました。
ですが、社内にeスポーツやゲームに詳しい人間がそれほど多くはないのが現状でした。
そこでまずはもっと社内でeスポーツを体験する、普及させる、そういう啓蒙活動から始めなければならないと考えました。
そのために部活を作ってみたらどうだろう?というアイデアがでてきたんです。
――いつから活動しているのでしょうか。
金井氏:2019年の3月に設立しました。隔週の水曜日に、業務の後に会議室などを利用して集まり、ゲームタイトルごとにテーブルを作って遊んで練習し交流する、という活動を行っています。
そして企業対抗戦や企業交流戦といった社会人eスポーツイベントに参加、あるいは主催しています。
――社内eスポーツ部を設立する、という告知に対して、社内のリアクションはどのようなものだったのでしょうか。
金井氏:私もやる前は本当に部員が集まるのか?と懐疑的でした。普段の職場の様子ではゲーム好きかどうかは分かりませんから。
そこでまずは、2月にeスポーツについてのセミナーを開催しました。外部から講師を招いて、現在のeスポーツを取り巻く状況についてのセミナーでした。
そのセミナーのなかで、ボンバーマンのミニ大会と部員の募集を行ったんです。そこからの社内の反応が思っていた以上に多く、部活設立当初の段階で20名~30名が集まりました。
その後は部員が新たな部員を呼ぶような形ですね。部員になった社員が、同じ部署の社員に声をかけて、と広がっていきました。今は部員50名を超えました。
――部活に参加する社員は、部署や年齢は問わず誰でもOKなのでしょうか。
金井氏:はい。トッパングループの社員全員が対象です。社内に部員募集のポスターも張り出しました。
年齢層は幅広いですね。入社2、3年目の20代前半の社員から、上は50近い社員もいます。ボリュームゾーンは30代でしょうか。
普段の業務だと、年上の上司が年下の部下に教える、というのが多いと思うのですが、ゲームになると若い人が年上にレクチャーするシーンも多く見られてなかなか新鮮で面白いですね。
――私が想像していたより部員の方々の年齢層が上です。
金井氏:特にストリートファイターVを楽しんでいる社員たちは年齢層が高めですね。40代が多いです。ちょうどストリートファイターⅡが流行った時期に中高生だった層ですね。
――さまざま部署、そして広い年代が部活で集まり、今までなかった接点も生まれているのでしょうか。
金井氏:はい。私もこれまで顔を合わせたことがなかったのに、この部活を通じて知り合ったメンバーも多くいます。
業務内容によっては一人で仕事をする社員もいるんですね。今まであまり他の社員と話したことがなかった人も、部活に参加したことでコミュニケーションが広がっています。これは部活を立ち上げて良かった点ですね。
――部活を通じて社員間のコミュニケーションがこれまで以上に活発になっていると。
金井氏:はい、そういった感触はありますね。それだけでなく、部活に入っていない社員にも声をかけられることが増えました。
ウェルプレイドさんと交流戦を行って社外だけでなく社内にも認知が広がったのが契機でしょうか。この前の見ましたよ、といった感じに今まで接点のなかった社員と会話が生まれたりと。
――隔週の部活動の日以外にも部員の方々でなにか行ったりする、ということはありますか。
金井氏:ストリートファイターVの面々は、隔週水曜以外の日に集まって自主練を行うこともありますね。
あとは、スプラトゥーンの面々はオンラインで他社との交流試合を行ったことがあります。結果はかなり負け込んだそうですが・・・
こういった社内だけでなく社外の方々との交流が広がっているのも良いことですね。
――弊社エイプリルナイツともブロスタにて交流戦を行っていただきました。今後もさらに企業交流戦への参加が増えそうですね。
金井氏:E1 HEROES設立から半年が経ちましたし、企業eスポーツイベントへの参加をもっと増やしていきたいですね。部員のモチベーションにもなりますし、ぜひ色々な企業さんと繋がっていきたいです。
――金井部長はどういったゲームを部活で楽しんでいきたいとお考えですか。
金井氏:LOLことリーグオブレジェンドですね。
――これまたeスポーツらしい人気タイトルです。ですが、まだ部活動の場にLOLのテーブルがないのですが・・・
金井氏:そうなんですよ、まだLOLを遊ぶ部員が足りないんです。現在はこのビル内の部署の社員に部員募集をかけていますが、これがトッパングループ全体になれば社員は5万人になりますから。これだけいればLOLが好きな社員も相当いるのではないかと。部活動をオンラインに拡大して、LOLチームを作りたいですね。
――こういった社内でeスポーツに取り組むという動き、さらに多くの企業にも加わってほしいですね。
金井氏:ゲームは遊びとか、いまいち真剣ではないといったイメージがまだまだ世間にあると思うんです。
けれどもeスポーツはまさにスポーツですよね。競技としてちゃんと取り組んでいる。社員同士のコミュニケーションになっている。
そういうことを発信して、ゲームのイメージ向上を図りたいですね。
――今後のE1 HEROESの活動にも注目しています。そしてまた弊社とも企業交流戦をぜひ行いましょう。ありがとうございました!
■ゲームタイトルごとの活動の様子
ゲームタイトルごとに詳しい社員がリーダーとなり、ゲームの練習やさらなる社内普及に努めているとのことです。
各テーブルの様子をうかがってみました。
・ストリートファイターV
プレイヤー年齢層が幅広く、部員も多いストリートファイターV。入れ替わりながら対戦や練習を繰り返しています。
表情は真剣そのもの。単なる対戦だけでなく、この日は「投げ抜け練習」といった具合に課題を作って練習するなど取り組み方の本気度が高い!

ストリートファイターVリーダー 友池氏

ストリートファイターVリーダー 永井氏
ストリートファイターVは友池氏、永井氏の2名がリーダーを務めています。
社内eスポーツ部の発足を聞いた時には、会社で社会人がゲーム?本当にいいのかな?と戸惑いと驚きがあったとのこと。
E1 HEROES設立後は、名前と顔を知っている程度の社員が実は同じくストリーファイターシリーズのファン、プレイヤーだったと分かる出会いや、これまで業務的になかなか関連性のなかった部署と繋がりができたりと部活動を楽しんでいるそうです。
また友池氏はストリートファイター4からのプレイヤー。対して永井氏はストリートファイター2をゲームセンターからプレイ。年代を超えて同じゲームで交流するというのは、eスポーツならでは・人気シリーズタイトルならではといえます。
・ぷよぷよeスポーツ

ぷよぷよグループは、この日は「〇連鎖以上を作る」とルールを決めての練習対戦。課題を設定しての練習はまさに部活動。

ぷよぷよeスポーツ「女子ぷよぷよ部」リーダー 折井氏
ぷよぷよリーダーの折井氏は、社内eスポーツ部の話を聞き、小学生の時に遊んだぷよぷよをやりたい、と思い立ったとのこと。
E1 HEROESの部活動にはプレイヤーが一定数いないとならないため、ぷよぷよ同好の士を探し晴れてぷよぷよを部活動に組み込まれたそうです。
ぷよぷよグループはこの日参加できた3名のほかにもう1名の4名で、女子ぷよぷよ部として活動。4人目の方は男性とのことで、名前と裏腹に男子禁制ではないようです。
目下、ぷよぷよ最強企業を目指し、ぷよぷよの企業対抗戦に参加し勝利することが目標とのことです。
・ブロスタ

エイプリルナイツと企業交流戦を行ったブロスタグループ。プレイヤー数も多くストリートファイターVに続いてE1 HEROESで盛り上がっているタイトルです。

注目はテーブルの上に置かれた書類です。

なんと、部員のためにリーダーが謹製の資料を制作配布しているのです。まさに本気の練習、まさに部活動!

ブロスタリーダー 原田氏
練習のための資料を手作りするほどのブロスタ愛を持つのが原田リーダー。ブロスタは凸版印刷でeスポーツに取り組むプロジェクトが始まった際に、メンバーで登場したばかりのブロスタをインストールしてみたことが始まりとのことです。
仕事で初めてゲームに触れる、というメンバーもいたそうですが、ブロスタの「スマホでプレイできる」「1ゲームがスピーディで手軽」「チームワークも必要で奥が深い」といった点が良かったとのこと。ブロスタとE1 HEROESの設立でゲームを本格的に始めた社員が増えたとのことです。
エイプリルナイツとの企業交流戦だけでなく、今後も多くの企業とブロスタの交流戦を希望とのこと。ブロスタを遊んでいる企業はぜひE1 HEROESへご連絡を!
・スプラトゥーン2

左:スプラトゥーン2メンバー 横田氏 右:スプラトゥーン2リーダー 石井氏
陣地を塗るというルールで、シューターゲーム層をより広げたスプラトゥーンもE1 HEROESで取り上げられています。
この日は残念ながら人数が揃わず、代わりに大乱闘スマッシュブラザーズをプレイされていました。
スプラトゥーンもぷよぷよと同じく、E1 HEROES設立当初はプレイヤーがいなかったとのこと。ですが石井氏がストリートファイターVで参加した同僚からE1 HEROESの活動の面白さを聞き、スプラプレイヤーを募って活動開始に至ったとのことです。
スプラトゥーンチームはこれまでオンラインでの対外試合で行い、悔しい敗北を喫してしまったとのこと。今は練習を積み、挽回の機会となる企業交流戦の開催を待っているとのことです。
スプラトゥーンも多くプレイヤーがいるゲームですので、スプラトゥーンに取り組んでいる企業はぜひE1 HEROESへ練習試合のお問合せを。
・PUBGモバイル




PUBGモバイルリーダー 小高氏
バトルロイヤルというシューターゲームに新たなジャンルを作ったPUBG。より手軽に遊べるスマホモバイル版の登場でますます人気のタイトルです。
E1 HEROESで猛者が集うタイトルで、これまで開催された数々のPUBGモバイルの企業対抗にも参加し、上位の戦績をおさめているとのこと。
9月にジュピターテレコムが開催した「J:COM presents 第2回PUBG MOBILE交流大会」にも参加され、エイプリルナイツとも戦っています。
【PUBGモバイル】第2回 PUBG MOBILE J:COM CUP (eスポーツ社内大会) YouTubeチャンネル:JTG Channel より引用

すでに実績ともいえる活躍をしているPUBGモバイルチーム。それもそのはず、E1 HEROES設立の前からリーダーの小高氏はPUBGモバイルをプレイしていたとのこと。
ストリートファイター5とPUBGモバイルはE1 HEROES設立時からチームが存在。この2タイトルは経験者がいることで初心者をリードすることが出来、当初から意欲的に活動しているとのことです。
小高氏は以前、PCのFPSゲーム「WarRock」をプレイしていたそうです。PUBGモバイルの登場後、同僚に誘われてPUBGモバイルでFPSに復帰。スマホがあれば遊べるモバイルFPSの手軽さ。これが自身が遊ぶのも、新規に同僚を誘うのにも良い点、とのことです。
企業対抗PUBGイベントは強豪企業と知られるようになったE1 HEROESチームですが、小高氏は「初心者メンバーの仕上がりはまだまだ」「クルーチャレンジに挑まなければ経験値が足りない」とまさに部活顧問のようなストイックなコメント。今後の企業対抗PUBGイベントでは恐るべきE1 HEROESチームに注目です。
■E1 HEROESだけでなく、社内eスポーツ部は増加していく
凸版印刷eスポーツ部 E1 HEROES。ご覧いただいた通り、その活動はただ集まってゲームをする、というものではありませんでした。
ゲームという共通の価値、言語を元に部署や世代を超えた交流を行う。
上達のための課題や企業対抗戦という目標を設定して、真剣に物事に打ち込む楽しさを得る。
まさに社会人のための部活動といえるものです。
そしてこの社会人の社内eスポーツ部というムーブメントは広がっていくとマル知る!では考えています。
社内でeスポーツへの取り組みをされていて、取材が可能という企業様は、どうぞマル知る!へご連絡をお願いいたします。
マル知る!のインタビューをお受けしていただけるという企業様はマル知る!Twitterアカウント:@marushiru_com へダイレクトメールにてご連絡いただけますようよろしくお願いいたします。
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